カーマ・スートラ

Kama Sutra/Vatsyayana

カーマ・スートラ

ヴァーツヤーヤナ 400~00年)

古代サンスクリット語で2000年前に書かれた、性愛の技法について記された。 長年エキゾチックな 体位を紹介した本とされてきたが、生活のための手引書として驚くほど現代的な面も持っている。

「カーマ・スートラ」を読んだことがない人は、エキゾチ クなセックスのテクニックを図版つきで解説したインド というイメージを持っているだろう。だが、元の写 本にはは一切なく、内容も、単なる性行為についての解 というよりも、はるかに奥が深いものだ。

この本は在の男性を対象としているが、書かれ ている内容は女性にも当てはまり、 など、生活のほぼあらゆる面についての手引きが記され ている。 男女両方に向けて、 どのように装い、何を食べ 誰と交際し、他人を魅了する力を身につけるにはどのよう にふるまうべきかを教えている。

インド北部の洞窟で19世紀に発見されたこの書物は、古 代サンスクリット語で書かれていたが、それをイギリスの 東洋学者で言語学者のリチャード・バートンが英語に訳し 1883年に自費出版した。タイトルは、 欲望または快楽 意味する「カーマ」 と、ものごとを結び合わせる糸とい う意味の「スートラ」 を合わせたものだ。仏教やヒンドゥ 一歌など東洋の宗教では、スートラという言葉が経典とい う意味で用いられることもある。

の後に雰囲気を盛り上げるための楽として特に勧め ているのが、 「マンゴーを掴む、炒った類を食べる。 道の 茎をかじる。 若葉集め、水かけ遊び、無言劇、 パンヤの木 の遊び、野生のジャスミンの花を使った模擬戦など。 地方 ごとに異なるよく知られた遊戯」 である。

性交についての章では、 、 、 、 愛打 と声、 オーラルセックス、 体位についてのさまざまなテ クニックが極めて詳細に綴られている。 例えば「実際の性 交に際して行われる抱擁」には、「憂 このわり」「木登り」、「米」「牛 「乳と水」の4種がある。 また、 「

ヴァーツセーヤナについてはほとんどわかってい ないが、禁欲を実践する僧であり、想 や悪のための方法のひとつとして、先 人たちの著作から性に関する知識を集め てこの本を著したと自ら述べている。こ の作品の起源は紀元前400年から紀元 200年だというのが定説で、この本はそ の時代から現在に伝わる文献として最古 のものということになる。

子のように」使う方法もある。

この書は性的関係は単なる生殖のた めではなく喜びをもたらすものであると とらえ、女性もオルガスムに達すること を認めている。これほど古い時代に 女卑の思想が強かった文化で書かれ たものであることを考えると、男女の関 に対する 「カーマ・スートラ」の思想 は驚くほど先進的だと言えよう。 (引用等は、「光駅カーマ・スートラ 平凡社、1998年を参考に出

THE KAMA SUTRA of Vatsyayana

「カーマ・スートラ」は全7 36章 1250の詩句で構成される。 4つのブル シャルタ (在の人間の行動における基本的 ダルマと正しさ) アルタ と。 カーマ (快楽)。 モクシャ について考察し、楽しみに満ち 良い人生を送れるよう、生活全般にわ たるを助言を述べている。

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