種実類・豆類の酵素抑制因子除去
浸水・発芽・発酵・加熱について
(松田麻美子先生の見解)
 
Q. 松田先生の著書には「木の実・種子類は水に浸せば酵素抑制因子が取り除かれる」と書かれていますが、別の本やインターネットでは「豆類や種子類は生では食べないように」「食べるときは酵素抑制因子を除くために、加熱または発酵させること」と書かれているものもあります。松田先生が種子類を食べるときにすすめている「水に浸す」は「加熱する」と対立するものでしょうか。それとも木の実・種子類によって使い分ければいいのでしょうか。
 
A. 「水に浸す」と「加熱する」は対立するものです。前者ではその食品に含まれる栄養価値をさらに高めてすべて完璧に利用できますが、後者では酵素が破壊され、栄養のほとんどは利用できなくなってしまいます。生の木の実や種子類・豆類・穀類は、すべて「酵素抑制因子」を含んでいます。これは、適切な環境がこれらの植物を冬眠から目覚めさせるまで、これらの中に含まれる栄養(タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなど)を保護しようと、酵素の活性化を抑えておくためです。
 
 適切な水分と温度が整うと、この「酵素抑制因子」が中和され、酵素が解放されて活発に働き始めます。それが発芽という現象です。それは、これらの植物の生命が子々孫々にわたって引き継がれていくために、自然が意図した種の生命保存のメカニズムです。一方私たちの体にとって、この「酵素抑制因子」はトラブルメーカーとなります。体の消化酵素の働きを止め、その食べ物の消化や吸収を妨げる可能性があるからです。しかし、この「酵素抑制因子」は木の実や種子類、豆類、穀類を発芽させる(水に浸す)ことによって、100%非活性化させることができることが研究で明らかにされています(Dr. Edward Howell, 「Enzyme Nutrition The Food Enzyme Concept」)。
 
 発芽させれば、体の消化酵素の働きは妨害されることなく、これらに含まれるすばらしい栄養を、完全に活性化させて利用することができます。今日世界中のローフーダーたち(生きている食べ物だけを食べる人々)がその恩恵に浴しています。もちろん加熱によっても「酵素抑制因子」は破壊されますが、同時にその食べ物(木の実、種子類、豆類、穀類)に含まれている酵素も失われてしまいます。すなわち私たちがそれを食べると、体の消化酵素を用いなければ・消化・吸収することができなくなるわけです。また、加熱はタンパク質を凝固させ、アミノ酸の形には分解できなくなってしまいますし、脂肪は発ガン性物質を発生させます。ビタミンの多くは破壊され、ミネラルは体が利用できないインオーガニック・ミネラルに変わってしまいます。「水に浸す(発芽させる)」ことと「加熱する」ことの違いはここにあります。
 
 これらの食品は発芽させて利用するのが最善の方法です。発酵させることによって、酵素抑制因子が除かれるのは、発酵のプロセスは発芽の後で生じるものだからです。ナチュラル・ハイジーンでは、これらを発芽させて食べることを大いに推奨しています。発芽のプロセスで木の実や種子類、豆類に含まれるタンパク質は体が吸収する形のアミノ酸の形にまで壊されますし、穀類のデンプンは自然の糖の形に変わります。多くの種では、その脂肪が消え、炭水化物にとって代わります。発芽させると、種の状態よりずっと消化しやすくなるのです。ビタミンは発芽させると、もともとの状態よりもずっと多くなり、特にビタミンB類は2倍にもなります。
 
参考文献:Gabriel Cousen,M.D. 「Rainbow Green Live-Food Cuisine」、Ann Wigmore 「The Hipocrates Diet and Health Program」
 
<補足>
 今日では、豆類は、色とりどりのレンズ豆、緑豆、ヒヨコ豆以外は 一晩水に浸して発芽状態にさせたあと、加熱して食べることがすすめられています。加熱しないと豆に含まれる「レクチン」が人の腸内細胞表面にある炭水化物と結びつき、一時的に腸障害を引き起こす可能性があるからです。これは、豆をよく加熱すれば容易に避けられます。
 
 またレンズ豆、緑豆、ヒヨコ豆などは一晩水に浸したあと、よく洗い、水気を切って広口瓶に入れ、口の部分にガーゼかキッチンペーパーをかぶせて輪ゴムで止め、45℃に傾けて,キッチンの流しの下などに入れておきます。朝夕よく洗い、夏で2~3 日、冬で4~5日置いて、芽が8~10 ミリほどになったら食べ頃です(スプラウト)。ヒヨコ豆の場合はもう少し時間がかかるかもしれません。

 ※大豆は発酵したものに限ります。レクチン問題にいたっては、ローヴィーガンも思慮深く調査する必要があります。

辻 千 尋

種実類・豆類の酵素抑制因子除去
浸水・発芽・発酵・加熱について
(松田麻美子先生の見解)
 
Q. 松田先生の著書には「木の実・種子類は水に浸せば酵素抑制因子が取り除かれる」と書かれていますが、別の本やインターネットでは「豆類や種子類は生では食べないように」「食べるときは酵素抑制因子を除くために、加熱または発酵させること」と書かれているものもあります。松田先生が種子類を食べるときにすすめている「水に浸す」は「加熱する」と対立するものでしょうか。それとも木の実・種子類によって使い分ければいいのでしょうか。
 
A. 「水に浸す」と「加熱する」は対立するものです。前者ではその食品に含まれる栄養価値をさらに高めてすべて完璧に利用できますが、後者では酵素が破壊され、栄養のほとんどは利用できなくなってしまいます。生の木の実や種子類・豆類・穀類は、すべて「酵素抑制因子」を含んでいます。これは、適切な環境がこれらの植物を冬眠から目覚めさせるまで、これらの中に含まれる栄養(タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなど)を保護しようと、酵素の活性化を抑えておくためです。
 
 適切な水分と温度が整うと、この「酵素抑制因子」が中和され、酵素が解放されて活発に働き始めます。それが発芽という現象です。それは、これらの植物の生命が子々孫々にわたって引き継がれていくために、自然が意図した種の生命保存のメカニズムです。一方私たちの体にとって、この「酵素抑制因子」はトラブルメーカーとなります。体の消化酵素の働きを止め、その食べ物の消化や吸収を妨げる可能性があるからです。しかし、この「酵素抑制因子」は木の実や種子類、豆類、穀類を発芽させる(水に浸す)ことによって、100%非活性化させることができることが研究で明らかにされています(Dr. Edward Howell, 「Enzyme Nutrition The Food Enzyme Concept」)。
 
 発芽させれば、体の消化酵素の働きは妨害されることなく、これらに含まれるすばらしい栄養を、完全に活性化させて利用することができます。今日世界中のローフーダーたち(生きている食べ物だけを食べる人々)がその恩恵に浴しています。もちろん加熱によっても「酵素抑制因子」は破壊されますが、同時にその食べ物(木の実、種子類、豆類、穀類)に含まれている酵素も失われてしまいます。すなわち私たちがそれを食べると、体の消化酵素を用いなければ・消化・吸収することができなくなるわけです。また、加熱はタンパク質を凝固させ、アミノ酸の形には分解できなくなってしまいますし、脂肪は発ガン性物質を発生させます。ビタミンの多くは破壊され、ミネラルは体が利用できないインオーガニック・ミネラルに変わってしまいます。「水に浸す(発芽させる)」ことと「加熱する」ことの違いはここにあります。
 
 これらの食品は発芽させて利用するのが最善の方法です。発酵させることによって、酵素抑制因子が除かれるのは、発酵のプロセスは発芽の後で生じるものだからです。ナチュラル・ハイジーンでは、これらを発芽させて食べることを大いに推奨しています。発芽のプロセスで木の実や種子類、豆類に含まれるタンパク質は体が吸収する形のアミノ酸の形にまで壊されますし、穀類のデンプンは自然の糖の形に変わります。多くの種では、その脂肪が消え、炭水化物にとって代わります。発芽させると、種の状態よりずっと消化しやすくなるのです。ビタミンは発芽させると、もともとの状態よりもずっと多くなり、特にビタミンB類は2倍にもなります。
 
参考文献:Gabriel Cousen,M.D. 「Rainbow Green Live-Food Cuisine」、Ann Wigmore 「The Hipocrates Diet and Health Program」
 
<補足>
 今日では、豆類は、色とりどりのレンズ豆、緑豆、ヒヨコ豆以外は 一晩水に浸して発芽状態にさせたあと、加熱して食べることがすすめられています。加熱しないと豆に含まれる「レクチン」が人の腸内細胞表面にある炭水化物と結びつき、一時的に腸障害を引き起こす可能性があるからです。これは、豆をよく加熱すれば容易に避けられます。
 
 またレンズ豆、緑豆、ヒヨコ豆などは一晩水に浸したあと、よく洗い、水気を切って広口瓶に入れ、口の部分にガーゼかキッチンペーパーをかぶせて輪ゴムで止め、45℃に傾けて,キッチンの流しの下などに入れておきます。朝夕よく洗い、夏で2~3 日、冬で4~5日置いて、芽が8~10 ミリほどになったら食べ頃です(スプラウト)。ヒヨコ豆の場合はもう少し時間がかかるかもしれません。

 ※大豆は発酵したものに限ります。レクチン問題にいたっては、ローヴィーガンも思慮深く調査する必要があります。

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