「アミグダリン」
ビワの種・アンズの仁は食べてはいけない!?
 
 アミグダリン (amygdalin, C20H27NO11) /レートリル (laetrile)とは、ウメ、アンズ、モモ、ビワなどのバラ科サクラ属植物の種子に多く含まれる青酸配糖体の一種であり、未成熟な果実や葉、樹皮にも微量含まれる。マンデロニトリルに2個のグルコースが結合した構造。植物の酵素エムルシンや、ヒトの腸内細菌がもつ酵素β-グルコシダーゼによって体内で分解され、シアン化水素を発生させる。
 
 シアン化水素は嘔吐、顔面紅潮、下痢、頭痛等の中毒症状を生じ、多量に摂取すれば意識混濁、昏睡などを生じ、死に至る。アミグダリンは果実の成熟に従い、植物中の酵素エムルシンによりシアン化水素、ベンズアルデヒド、グルコースに分解されて消失する。この時に発生するシアン化合物は揮散、もしくは分解され消失する。また、加工によっても分解が促進される。
 
【致死量】シアン化水素(青酸)の致死量は50 – 60mg程度
 
・枇杷:ビワの種子には高濃度のシアン化合物が含まれる
・杏:日本のアンズの仁はほとんどがアミグダリンを多量に含む苦杏仁
・梅:青梅(未熟な梅の実)1粒から生じる青酸量は0.15mg程度なため、青梅100 – 300個を1度に摂取すると致死量に達する。熟していない青梅にはシアン化合物が高濃度に含まれているので、そのままでは食べるのには適していないが、梅干しや梅酒、梅漬けに加工をすることにより、シアン化合物が分解し、大幅に減少する
 
・生薬としての使用:枇杷の葉などは少量であれば咳止めの効果が得られる(甲田光雄先生も推奨されていた)
・抗がん剤として使用され、毒性が明らかになった
・ビタミンB17であると一時考えられた。癌が「B17欠乏症」の結果であることと考えられて治療薬として使用されたが、この説は否定されている
 
**
 
「レクチン」
 
 私はオーガニックの生フラックスシードを常食していますが(チアシード、ヘンプシードも交互に摂る)、厚生労働省の規制により、生のフラックスシードは「シアン化物含有量が10ppm 以上」であることから、日本では販売不可能のため、「スプラウト用」として販売されてきました。フラックスシードに含まれるシアン化物(主に、リナマリンとロタウストラリンなど)は、アブラナ科の野菜に含まれるチオシアネート同様の「シアン化物グルコシド」で、生で毎日大さじ1〜2 杯程度摂取した場合の人体への有害性はない、というのが欧米での認識でした(今はどうか分かりませんが)。レクチン問題にいたってはチアシードもタブーの食品分類に入ります。
 
●毒(レクチンたっぷりの「食べてはいけない食品」)
 玄米、パン、パスタ、蕎麦、シリアル、ジャガイモ、砂糖、豆類全般(もやしのようなスプラウトもダメ)、豆腐、枝豆、ピーナツ、カシューナッツ(ナッツではない)、チアシード、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、メロン、トウモロコシ、ローカロリー飲料…etc.
 
→ローフードではスプラウトを育てることを教えますし、ここに取り上げられている食材を用いて調理するので、レクチン問題に関しては一つひとつの食材について慎重に解いてゆきたい。
 
●味方(体がよろこぶ「食べて良い食品」)
 アボカド、ナッツ全般、栗、ココナッツ(ミルクやクリームもOK)、オリーブ、ダークチョコレート、海藻類、キノコ類、アブラナ科の野菜類(ブロッコリー、白菜、キャベツなど)、オクラ、玉ねぎ、葉菜類、サツマイモ、サトイモ、こんにゃく、柿、味噌、キムチ…etc.
 
<以下、博士の見解抜粋>
 『レクチンの第一使命は、腸管を覆っている粘膜細胞の間のタイトジャンクション(密着結合)をこじ開けることだ。意外かもしれないが、腸管の表面積はテニスコート1枚分もあるのに、表面の粘膜はわずか細胞1つ分の厚さしかない。そんな極薄の壁が、これほど広大な地域を見張っている様子を想像してほしい。そして腸管細胞はビタミン、ミネラル、脂肪、糖、単純なタンパク質は吸収できるが、レクチンのような比較的大きなタンパク質は吸収できない。あなたの腸管とその粘膜が健康なら、レクチンは腸粘膜細胞の間を突破できないはず。だがレッドローバー〔日本の花いちもんめのようなもの〕という子供の遊びを思い出してほしい。大柄な子供は、防衛線を力ずくで突き破ろうとしただろう。そしてレクチンが腸管を攻撃する時も、まさにこの手を使う。
 
 レクチンは腸管周囲の組織、リンパ節、腺、血流など、本来いるはずのない場所に到達すると、そこで異種タンパク質として振る舞い、身体の免疫機構による攻撃を促す。トゲが刺さった時に白血球が対応して赤く腫れあがる様子を思い描いてほしい。立ち入り禁止の場所にいたったレクチンは目には見えないが、免疫機構はそれと似たような反応をしている。炎症を引き起こすサイトカイン(いわば免疫機構に脅威の接近を知らせる空襲警報だ)水準を検査するたびに、私はこれを目の当たりにしている』・・そして、免疫機構が活性化されると腸管や、脳、関節、唾液腺、皮膚、血管などの臓器が炎症を起こし、これらの慢性炎症は、体重増加やがん、糖尿病、自己免疫疾患などの発症基盤になると博士は説く。

辻 千 尋

「アミグダリン」
ビワの種・アンズの仁は食べてはいけない!?
 
 アミグダリン (amygdalin, C20H27NO11) /レートリル (laetrile)とは、ウメ、アンズ、モモ、ビワなどのバラ科サクラ属植物の種子に多く含まれる青酸配糖体の一種であり、未成熟な果実や葉、樹皮にも微量含まれる。マンデロニトリルに2個のグルコースが結合した構造。植物の酵素エムルシンや、ヒトの腸内細菌がもつ酵素β-グルコシダーゼによって体内で分解され、シアン化水素を発生させる。
 
 シアン化水素は嘔吐、顔面紅潮、下痢、頭痛等の中毒症状を生じ、多量に摂取すれば意識混濁、昏睡などを生じ、死に至る。アミグダリンは果実の成熟に従い、植物中の酵素エムルシンによりシアン化水素、ベンズアルデヒド、グルコースに分解されて消失する。この時に発生するシアン化合物は揮散、もしくは分解され消失する。また、加工によっても分解が促進される。
 
【致死量】シアン化水素(青酸)の致死量は50 – 60mg程度
 
・枇杷:ビワの種子には高濃度のシアン化合物が含まれる
・杏:日本のアンズの仁はほとんどがアミグダリンを多量に含む苦杏仁
・梅:青梅(未熟な梅の実)1粒から生じる青酸量は0.15mg程度なため、青梅100 – 300個を1度に摂取すると致死量に達する。熟していない青梅にはシアン化合物が高濃度に含まれているので、そのままでは食べるのには適していないが、梅干しや梅酒、梅漬けに加工をすることにより、シアン化合物が分解し、大幅に減少する
 
・生薬としての使用:枇杷の葉などは少量であれば咳止めの効果が得られる(甲田光雄先生も推奨されていた)
・抗がん剤として使用され、毒性が明らかになった
・ビタミンB17であると一時考えられた。癌が「B17欠乏症」の結果であることと考えられて治療薬として使用されたが、この説は否定されている
 
**
 
「レクチン」
 
 私はオーガニックの生フラックスシードを常食していますが(チアシード、ヘンプシードも交互に摂る)、厚生労働省の規制により、生のフラックスシードは「シアン化物含有量が10ppm 以上」であることから、日本では販売不可能のため、「スプラウト用」として販売されてきました。フラックスシードに含まれるシアン化物(主に、リナマリンとロタウストラリンなど)は、アブラナ科の野菜に含まれるチオシアネート同様の「シアン化物グルコシド」で、生で毎日大さじ1〜2 杯程度摂取した場合の人体への有害性はない、というのが欧米での認識でした(今はどうか分かりませんが)。レクチン問題にいたってはチアシードもタブーの食品分類に入ります。
 
●毒(レクチンたっぷりの「食べてはいけない食品」)
 玄米、パン、パスタ、蕎麦、シリアル、ジャガイモ、砂糖、豆類全般(もやしのようなスプラウトもダメ)、豆腐、枝豆、ピーナツ、カシューナッツ(ナッツではない)、チアシード、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、メロン、トウモロコシ、ローカロリー飲料…etc.
 
→ローフードではスプラウトを育てることを教えますし、ここに取り上げられている食材を用いて調理するので、レクチン問題に関しては一つひとつの食材について慎重に解いてゆきたい。
 
●味方(体がよろこぶ「食べて良い食品」)
 アボカド、ナッツ全般、栗、ココナッツ(ミルクやクリームもOK)、オリーブ、ダークチョコレート、海藻類、キノコ類、アブラナ科の野菜類(ブロッコリー、白菜、キャベツなど)、オクラ、玉ねぎ、葉菜類、サツマイモ、サトイモ、こんにゃく、柿、味噌、キムチ…etc.
 
<以下、博士の見解抜粋>
 『レクチンの第一使命は、腸管を覆っている粘膜細胞の間のタイトジャンクション(密着結合)をこじ開けることだ。意外かもしれないが、腸管の表面積はテニスコート1枚分もあるのに、表面の粘膜はわずか細胞1つ分の厚さしかない。そんな極薄の壁が、これほど広大な地域を見張っている様子を想像してほしい。そして腸管細胞はビタミン、ミネラル、脂肪、糖、単純なタンパク質は吸収できるが、レクチンのような比較的大きなタンパク質は吸収できない。あなたの腸管とその粘膜が健康なら、レクチンは腸粘膜細胞の間を突破できないはず。だがレッドローバー〔日本の花いちもんめのようなもの〕という子供の遊びを思い出してほしい。大柄な子供は、防衛線を力ずくで突き破ろうとしただろう。そしてレクチンが腸管を攻撃する時も、まさにこの手を使う。
 
 レクチンは腸管周囲の組織、リンパ節、腺、血流など、本来いるはずのない場所に到達すると、そこで異種タンパク質として振る舞い、身体の免疫機構による攻撃を促す。トゲが刺さった時に白血球が対応して赤く腫れあがる様子を思い描いてほしい。立ち入り禁止の場所にいたったレクチンは目には見えないが、免疫機構はそれと似たような反応をしている。炎症を引き起こすサイトカイン(いわば免疫機構に脅威の接近を知らせる空襲警報だ)水準を検査するたびに、私はこれを目の当たりにしている』・・そして、免疫機構が活性化されると腸管や、脳、関節、唾液腺、皮膚、血管などの臓器が炎症を起こし、これらの慢性炎症は、体重増加やがん、糖尿病、自己免疫疾患などの発症基盤になると博士は説く。

テキストのコピーはできません。